幸田文『台所のおと』

幸田文の短編集。
タイトルにある『台所のおと』が、最初に収められている。

『台所のおと』

『台所のおと』

はじめて文章を書く職場に入ったとき、仕事のいろはを教えてくださったかたから、「しばらくは、幸田文以外の本は禁止」といわれた。

文にリズムがあって、美しい。読みやすくて、気っぷがいい。
そういう文章の楽しさを、私の上司は教えたかったのだろう。幸田文ばっかりを読んでしばらく過ごした。それで、幸田文みたいにはならなかったけれど、それからすっかりファンになった。

なかでも『台所のおと』は、何度も読みたくなる。何度読んでも、みずみずしい印象が残る。台所で、水をしゃっと出しながら青菜の下ごしらえをする音、クワイを油で揚げる音。
いい音をさせるように、なりたいものです。

  

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